「好き」って、言って

 

「ヒバリさん!俺のことどう思ってるんですか?」
 
 
出会ってから一年。付き合ってもう半年。
ツナは雲雀の恋人のはずだ。
でも、雲雀から「好き」と言われたことがない。
ツナはずっと聞きたかったことを今日。思い切って聞いてみた。
案の定、雲雀は呆れたような顔をしていた。
 
 
「は?」
「だーかーら。ヒバリさんは俺のこと好きですか?」
 
 
今度は眉間に皺を寄せてしまった。
でも、こんな顔をされても絶対に聞きたかった。
ツナばっかり好き好き言っているけど、雲雀がどう思っているかを聞きたい。
それなのに。雲雀は一瞬こちらを向いたところまでは良かった。
でも、また仕事の資料の方を見始めてしまった。
 
 
「ヒバリさん~。俺のこと嫌い…ですか?」
 
 
語尾がどんどん小さくなってしまったツナ。
雲雀は少し、ほんの少しだ素直になってやろうと思った。
 
 
「そんなことは言ってないでしょ」
 
 
雲雀がそう言って顔を上げると満面の笑顔と言っていいほどの顔をしたツナが雲雀を見ていた。
 
 
「ヒバリさん!」
 
 
いきなり抱きついてきたツナをいつものように抱きしめた。
ツナはあの笑顔を見せた後。必ず抱きついてくるのだ。
 
 
「俺、ヒバリさんが大好きです。愛してます。ヒバリさんは?」
 
 
首を傾げるツナは、リスのように可愛い。
雲雀はいつもそう思っている。
初めてあったときはこんなに雲雀笑顔を見せてくれなかった。逆に、怯えた顔を見せていた。でも、こんなに笑いかけてくれている。
それに、今まで雲雀は何度もツナが笑っているところを見ていた。
そして、その笑顔が好きになった。
 
でも、それはまだ言わないことにしよう。
今言ったら、きっと図に乗るから。
 
 
「ヒバリさ…。んぅっ?!」
 
 
唇に触るだけのキスをした。
それだけでもツナに雲雀の気持ちは伝わると思うから。
 
 
「こうゆうことだよ。分かった?」
 
 
顔を赤くしてツナは首を縦に振っている。
リスのように可愛いツナを、この先雲雀は守っていく。
今まで、自分の中に無かった感情をくれた世界で一番大切な者を。
でも、ツナにリスみたいと言ったらきっと顔を赤くして怒ってしまうだろう。
だから、それはまだ雲雀の胸の奥に閉まっておくことにする。
 
 
「好き」を言うのはまだもう少しのこと。
 
 
 
 
 
 
 
 
2009/10/18
 
久しぶりの更新です。
この頃PCをやることが少なくなってしまって。
 
さて、今回はヒバツナです。
雲雀が攻めですよ!!
このお話は「ヒバツナ初恋シリーズ」の一つです。
次回は初めてのデートですかね。
今度、時間があるとき小説のところだけ、少し改装します!!