ピアス

 

「・・・ピアス」
 
 
思わず口が開いてしまった。
 
応接室のソファーで座って本を読んでいた骸は、それから顔をあげて、雲雀を見た。
 
それに気付いた雲雀は顔を真っ赤にして、手に持っていた書類に視線を戻した。
 
 
「ピアスがどうしたんですか?」
 
 
すぐ傍で骸の声が聞こえたので、顔を上げた。そうしたら、骸の顔があった。
 
 
初めてあった日から、その耳にはピアスがある。
 
銀色に光っているソレは、骸に似合っていた。
 
 
「ソレ、痛くないの?」
「コレですか?痛くないですよ。それに、
元々僕は痛みには鈍感ですからね」
 
 
「ふぅん。それじゃ、僕もつけてみようかな」
 
 
痛いのが怖いわけではないが、何となく気になってはいた。
 
ふと骸を見ると、驚いたときの顔をしていた。
 
何でそんな顔をするのだろうか。
 
 
「ねぇ、なんでそんな顔をするのさ」
「いや、また突然なことを・・・。校則で、
ピアスはダメなのではないですか?」
 
 
誰よりも学校を愛し、並盛風紀委員長の雲雀が、そんなことを言っていいのだろうか。
 
 
雲雀も気付いたのか、それからはピアスの話しは出なくなった。
 
 
 
 
 
 
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2009/11/12
 
平日の何も無い応接室のお話でした。
 
雲雀、気になってたんですね。
私も気になります!!