囚われの蓮

 

先程まで、戦闘していた痕跡がある部屋。

そこに六道骸は鎖に繋がれて横たわっていた。

ミルフィオーレファミリーのボス。白蘭の能力を探るためにミルフィオーレに侵入し、レオナルド・リッピに成り済ました骸はもう少し。というところで正体がばれてしまいこの部屋に監禁されている。
あれから丸一日が過ぎた今、誰も入ってこなかった部屋に誰かが入ってきた。
 
 

「骸君?・・・起きたかな?」
「・・・」
 

骸はうっすらと目を開け声の主を見て、また目を閉じた。
右目を抉られ、出血がひどかった骸を、白蘭がマーレリングの力で抑えた。
 

「具合悪そうだね。まっ、それも僕がやったんだけどね」
「・・・殺して、ください」
 

このまま生きて白蘭の元にいるよりは、死ぬのを選ぶ。
ただ、一つの心残りが雲雀恭弥を残していくこと。
 

―もう一度、恭くんに会いたかった
 

無茶する雲雀のことだ、また何か厄介なことをやっているに決まっている。
 

「はぁー、僕が骸君を殺す?そんなことしないよ。
だって君、僕の玩具になるんだから」
「っ、白蘭!」
 

"
玩具"、という単語に反応した骸は、一つとなってしまった眼で白蘭を睨んだ。
しかし、白蘭はそれを無視して、子供が見せるような笑顔で笑っていた。
 

「ふふ、やっと僕を見てくれたね」
 

六道の眼があれば、このレオナルド・リッピ。もとい、グイド・グレコの身体をすぐに捨て、違う身体に憑依できる。
しかし、今は、あの忌まわしい六道の眼は白蘭に取られてしまっている。
ただ白蘭を睨むことしか、今はできなかった。
 

「…クフフ。二度と貴方の顔なんて見たくなかったですよ」

 
 
 
 
 


もう二度と、ここからは逃げ出せないと思う。
だから、また、会うときまで、元気に過ごしていてください。
・・・僕の恭くん。
 
 
 
 
 
2009/12/26
 
ずっと昔の小説を、久しぶりに引っ張りだしました!!